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第66回卒業証書授与式

2024年3月15日 14時27分

本日、重信中学校第66回卒業証書授与式を、行いました。

今回からコロナ禍以前の形式に戻し、全校生徒と保護者とともに、ご来賓の皆様も体育館にお迎えすることができました。

式辞では、主に次のような内容を話しています。

式辞にあたり、私からは、大きく三点をお話しします。

一つ目は「大人になる」についてです。このことは、義務教育を終える時点で、社会に出ても困らない程度には身につけてほしいと願い、意識して教育活動を進めてきたつもりです。例えば一年前、少年の日の記念文集「寒梅」の中で、私は、私なりに感じている「大人」の意味を、卒業生皆さんに紹介しました。それは、「責任を持つこと。自分の決断、過程、その結果、全てにおいて責任を持つこと。それが大人だと思う。」この言葉、皆さんの記憶にありますか。また、別の機会では、「自分で考え、判断し、行動する」力を身に付けてほしいとも伝えました。人の一生は、大なり小なり、判断や決断とそれに基づく行動の繰り返しで、適切な判断のためには、相応の知識や知恵と、経験が背景になければなりません。単に「何となく」とか「気分で」ではなく、得た情報から必要なことを絞り込み、今後を予想し、最適な手段を選択することが大事となってきます。

中学校での学習や活動は、各種の経験を積み、大人の準備を進めるためにもあります。卒業生皆さんに、少しでもそれらの経験ができて、大人としての自覚と力量が身に付き、この先に進む原動力になっていれば、校長として、うれしく感じます。

二つ目は「つながることの大切さ」についてです。

皆さんが進むこの先は、予測困難な社会です。これまでの常識や経験が通用しづらく、自分一人だけの力で解決することが難しくなってきます。そんな状況にこそ、大切にしたいことは「人と人とのつながり」です。意見を直接やりとりし、自分の考えを伝えつつ、相手の考えや気持ちを確かめていく。そのことは何も言葉だけではありません。表情や仕草で伝わることも多いです。だからこそ、大事なときには直接会ってほしい。直接会って、対話してほしいと、強く思います。

最後の三つ目は「故郷」についてです。

かつて、正岡子規は、故郷について次のように記しています。「嬉しきも故郷なり。悲しきも故郷なり。悲しきにつけても嬉しきは故郷なり。」

大人になればなるほど、皆さんがつながる世界や年齢層は広がり、多様な生き方に触れ、多様な経験を積むことになります。その際、心に留めておいてほしいのは、この重信や東温には、様々な思いをもって暮らしを営んでいる方々が大勢いらっしゃるということ、そして、特に、学校に関わってくださる地域の方々は、「中学生の皆さんに、重信や東温のことをもっと知って、地域をもっと好きになってほしい。将来はこの地域をもっと盛り立ててほしい。」の思いや願いをお持ちだということです。皆さんは、この先、一度はこの重信や東温を離れることになるかもしれません。ですが、将来、何らかの形で、皆さんがこの重信や東温に再び関わってくれれば、校長として、そして、長らく東温の教育に携わってきた者として、こんなにうれしいことはありません。

これからの社会を生きる卒業生に、幸多からんことを。今後の更なる活躍を期待しています。

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