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第2学期終業式

2023年12月25日 10時08分

今日は第2学期最後の授業日です。終業式では、各学年の代表生徒が、2学期の反省と今後の抱負を立派に発表できていました。

式辞では、生徒や先生方に向けて、次のような話をしています。

あと1週間もすれば、年が改まって令和6年となります。私からは、新しい年を迎えるにあたって、豆知識のような話をしたいと思います。

 

正月になると、テレビ番組には、普段にも増して芸人さんが多く出演しています。これには理由と背景があるのですが、それを知っていますか。

 

理由は「笑う門には福来たる」。笑顔で新年を迎えている家には、神様が幸せを運んでくる。と言われています。だから、正月のテレビ番組には、笑いを誘う芸人さんが多く出演します。

それでは、その背景について。本来、神様と芸人との関係は、どのようなものでしょうか。

 

日本の古い言葉に、「わざをき」という言葉があります。

「わざをき」の「わざ」とは芸事のこと。古より、芸事とは、おもしろおかしな動作や言葉、または歌や舞いを指します。

また、「をき」とは、「をく」が活用して変化したもので、「招く」を意味します。

この2つがまとまって、「芸(わざ)をもって神様を招く」という意味になり、そこから転じて、「おもしろおかしな動作や言葉、または歌や舞いによって、神様や人を楽しませるわざ。もしくは、それを行う人。」を意味する言葉になりました。今でいう、俳優や芸人が該当します。

「神様を招いて、一緒に笑ったり喜んだりすることで、機嫌がよくなったその神様から福をいただく。」というのが、日本における芸事の始まりであり、現在の「芸人が誘う笑いによって神様が来る。」につながってきます。

皆さんも、ぜひ、正月には、笑いを通して、自分や家族に福を招いてください。

 

ただし、してはいけない笑いもあります。それは、他人を馬鹿にして誘う笑い。これは笑いではありません。

 

ところで、正月に神様を招く芸事は、芸人さんが誘う笑いの他にもあります。歌や舞いにつながる、伝統芸能がそれにあたります。獅子舞であったり、今は見かけませんが、人形を使った三番叟まわしであったりします。時間があれば、正月に関係するこのような伝統芸能に親しむのもよいと思います。

 

豆知識のような話は以上です。なお、今日のこの話に関係する内容は、1400年ほど昔の書物である「日本書紀」や「古事記」に書かれていますので、興味のある人は、ぜひ調べてみてください。

 

それでは、どちら様も、どうぞ穏やかな年末とよい新年をお迎えください。

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